葉酸を摂取することのメリットは?
赤ちゃんの健康に好影響
出産を控えた方であれば、一度は葉酸について耳にしたことがあるでしょう。とはいえ、葉酸を妊婦が摂取すべきというのは分かっていても、具体的にどのような観点から摂取が推奨されているのかは知らない、という方も多いのではないでしょうか。
妊婦の葉酸の摂取は口コミで支持されているというような性質のものではなく、厚生労働省によって公式に推奨されています。その主な理由としては、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らす働きがあるということです。
研究により、妊婦が葉酸不足に陥るとお腹の中の赤ちゃんに神経管閉鎖障害が発生するリスクが高まることが分かっています。これを防ぐためにも、細胞分裂が盛んな時期に十分な量の葉酸を摂取しておくことが重要になります。そこで、妊娠する1か月以上前から妊娠3か月までは葉酸を積極的に摂取すべきとされているのです。
妊婦の健康にも嬉しい効果
葉酸は赤ちゃんのために摂取すべきものとされていますが、葉酸の効果はそれだけではありません。妊娠中は出産に対する不安や自分の身体が思い通りにならないことへのストレスもあり、精神的に辛い状況に置かれがちです。
そこで葉酸を摂取することにより、妊婦の精神状態が安定するのです。メンタル以外でも、葉酸を摂取することで口内炎や貧血などを防げます。葉酸は赤ちゃんの健康だけではなく、妊婦の健康も支えてくれる栄養素です。
葉酸は食品から摂取できる?
葉酸を含む食品は身近なものばかり
葉酸を含む代表的な食品にはレバー、ブロッコリー、ホウレンソウ、いちご、アボカド、焼き海苔などがあります。これらの食品は非常に身近なものであり、葉酸を摂取するという目的でなくとも日常的に摂取しているようなものではないでしょうか。
葉酸の含有量が特に多いのはレバーです。妊婦の1日の葉酸推奨摂取量は480μgとされているところ、レバーには100gあたり1000μgもの葉酸が含まれています。そのため、レバーを少量でも食べれば1日に摂取すべき葉酸の基準値は満たせると考えられます。レバーを調理する上では下準備が必要で、毎日レバー料理を用意するのは大変です。
ですが、レバーの煮ものなど日持ちする料理を作り置きしておけば気軽に葉酸を摂取できますね。
また、妊娠後のつわりが厳しい時期であっても、いちごなどのさっぱりとした食べやすいものであれば摂取できるはずです。このように、日常生活で気軽に葉酸を摂取してみてくださいね。
食品から葉酸を摂取する場合の注意点
まず、食品から葉酸を摂取することに失敗する原因として多いのは、葉酸が水溶性であることを忘れて調理を行ってしまうことです。ブロッコリーなどを茹でるときに水溶性の葉酸は茹で汁に流れ出てしまいます。そのため、茹でブロッコリーだけ食べていても十分な葉酸を摂取することはできません。野菜から葉酸を摂取する場合には葉酸が水溶性であることを意識して、茹で汁をスープに加工するなどして摂取するようにしましょう。
また、日常の食事から葉酸を摂取する場合にはサプリメントから摂取する場合とは異なり、この食品にはどれだけの葉酸を含まれている、と考えるのは面倒になりがちです。そのため、葉酸を気にした食生活をすると逆に葉酸を摂取しすぎてしまうことがあります。
特に、レバーの食べ過ぎには注意するようにしましょう。レバー100gには妊婦の1日の葉酸推奨摂取量の2倍以上の葉酸が含まれています。
さらに、レバーには葉酸の過剰摂取の恐れだけではなく、ビタミンAの過剰摂取の恐れもあります。ビタミンAの過剰摂取により、赤ちゃんに奇形が生じるという事例もあるため、葉酸の過剰摂取以上に危険です。レバーは便利な食材ですが、適量を食べることを注意するようにしましょう。
葉酸はサプリメントから摂取できる?
サプリメントからの摂取も一般的
葉酸を摂取できるサプリメントは一般に普及しており、妊婦さんに用いられています。サプリメントを利用すれば、毎日決まった量の葉酸を確実に摂取できるのが楽です。サプリメントに馴染みのない方は、健康なのに薬のようなものを飲むのかと抵抗を感じるかもしれません。
ですが、離乳食を作っているようなメーカーでも葉酸サプリメントを販売しているため、それほど気負うことなく利用できますね。
サプリメントを製造しているメーカーやタイプにもよりますが、サプリメントは1日当たり数十円程度のコストで利用できます。葉酸サプリメントが必要なのは数か月、ということも考えると葉酸サプリメントは家計の負担にもなりにくいです。
毎日葉酸を考えて食事を決めるのは大変、という方は葉酸のサプリメントを検討してみると良いでしょう。
サプリメントには種類がある
葉酸サプリメントには天然のものと化学合成のものがあります。天然のものは食品から抽出した葉酸を利用しており、化学合成のものは食品以外の化学物質から合成した葉酸を利用しています。生成に手間がかかる点や材料にコストがかかる点から、前者の方が価格は高い傾向にあります。
後者については、食品以外の化学物質から生成された葉酸を用いていても健康上問題はないとされていますが、赤ちゃんが喘息になるリスクを増大させるという研究結果があります。化学合成のサプリメントが悪いかどうかは賛否両論であり、結論を出せるほどの研究結果はそろっていません。
ですが、赤ちゃんの健康被害について気になる方は、少し割高であっても天然のサプリメントを利用するのが無難だといえます。
サプリメントの効果を発揮する服用方法
葉酸は水に溶けてしまい、体内に蓄積されにくい栄養素です。そのため、葉酸のサプリメントは回数を分けて少しずつ摂取することが大切です。朝1回のみ、という服用方法ではなく、少量ずつ1日に何回も服用するようにしましょう。
また、効果的に葉酸を吸収するためにも、サプリメントは空腹時に服用しましょう。胃の調子の問題で、空腹時にサプリメントを服用することに抵抗がある場合でも、満腹の状態で服用することは避けてください。
そして、服用する際には、水でサプリメントを飲みこむようにしましょう。コーヒーやお茶と一緒に飲みこんでしまうと、カフェインなどに邪魔されて葉酸の吸収が効率的に行えない可能性があります。
葉酸の摂取に関係するリスクは?
葉酸の過剰摂取は危険
葉酸は妊婦と赤ちゃんにとって重要な栄養素ですが、過剰摂取には気を付ける必要があります。葉酸を過剰摂取すると、葉酸過敏症になり、妊婦に発熱やじんましんなどの症状が出てしまうことがあります。また、葉酸過敏症にならなくとも、葉酸の過剰摂取により妊婦に吐き気や食欲不振などの症状が出る可能性もあります。
妊婦はつわりなどで体調不良を感じることが多く、食欲不振程度では葉酸の過剰摂取に気付けない可能性があります。体調不良をつわりで片づけずに、辛いときには病院に相談するようにしてください。
適量を守って葉酸を摂取すべき
妊婦は1日に480μgの葉酸を摂取するべきだとされています。サプリメントを利用した場合はもちろん、食品から摂取する場合であっても、480μgというのは摂取が難しいほどの量ではありません。むしろ、摂取しようと気を付けていると摂取しすぎてしまうような量だといえます。
葉酸を適度に摂取することにはメリットがあるものの、葉酸の過剰摂取はかえって害になります。出産に向けてできることは何でもやりたい、という気持ちになりがちですが、葉酸は適量を守って摂取するようにしてください。
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